EDRについて
EDRとは
EDR（イベントデータレコーダー）とは、自動車に搭載されたデバイスで、事故発生時に車両の状態や運転者の行動などのデータを記録するものです。EDR解析は、事故原因の調査や運転者の責任の判断などの客観的な証拠として役立ちます。
データ読み出しの元となるEDRは自動車のブラックボックスに例えられ、エアバックコントロールモジュール（ACM）等に搭載されている装置および機能で、車体に一定以上の加速度（軽微な衝撃を含む）が加わった場合、そこから約5秒間さかのぼり衝突までの車両データを最大約100種の情報について時系列で記録します。
具体的には、以下のような情報がEDRから取得することが可能です。
・車速・加速度・ブレーキの使用状況・アクセルの使用状況・ステアリングホイールの角度・エンジン回転数・シートベルトの着用状況・エアバッグの作動状況・その他の各種情報
現在においてEDRは全世界的にほとんどのメーカー車両に搭載されていますが、2022年7月より全世界共通法規としてEDR搭載義務化を導入することが決定され、日本でも同時期の新型車より、同法規に準拠したEDR搭載義務化が決定されました。
また、EDRは自動車業界においてはすでに一定の普及率を誇っており、各国で自動車の安全性に関する法律が強化されています。
日本においても2022年7月以降の新型車(※1)にはEDRの搭載が義務づけられた経緯があり、事故調査時においての有効性が期待されています。
さらに、自動ブレーキや自動運転技術が進化するにつれてEDRの重要性が高まっており、事故が発生した場合にはその原因を特定するためにEDRデータの解析が必要とされています。
最近では、中古車の品質管理および信頼性の向上のために、EDRデータを利活用した中古車査定評価（事故履歴の確認）の最新技術として急速に導入が進んでいます。
※1:乗車定員10人未満の乗用車および車両総重量3.5t以下の貨物車 継続生産車は2026年7月から適用